2011 年 100 巻 1 号 p. 23-28
21世紀を迎えてカプセル内視鏡やバルーン内視鏡を用いた小腸の内視鏡観察が容易となり,小腸疾患の診断と治療のアルゴリズムに変化が起こっている.しかし,小腸X線検査は小腸病変の有無を確認する最も簡便な検査法であり,粗大病変や狭窄病変の存在診断,あるいは炎症性疾患の経過観察に必須な検査法である.基本は充満像と丹念な圧迫法の併用による病変の同定であり,二重造影像で微細な病変が描出可能となる.今後も,小腸内視鏡検査に先行する検査法として重要な意義がある.