日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
急性妊娠脂肪肝により発症した尿崩症から急性腎不全を呈した1例
瀧本 裕基長門谷 克之山内 洋子松田 拓久森 龍彦山下 能毅亀谷 英輝大道 正英井上 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 100 巻 10 号 p. 3044-3047

詳細
抄録

症例は妊娠34週の35歳女性.切迫早産のため産婦人科入院中に肝機能障害,腎機能障害を認め腎臓内科に紹介された.肝機能障害については臨床的特徴から急性妊娠脂肪肝の可能性が高く,腎機能障害についてはFENaの上昇がなく,高Na血症を呈していたことから腎前性腎不全と考えた.後日判明したADH濃度は血漿浸透圧に対して相対的に低値であり尿崩症による循環血漿量の減少から急性腎不全に至ったと考えられた.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top