日本内科学会雑誌
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II.治療
1.JSH2009に基づく降圧治療の基本
石光 俊彦
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2011 年 100 巻 2 号 p. 367-375

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抄録

血圧と心血管疾患のリスクとの関係は正常血圧範囲においても直線的であり,予後改善のためには厳格な血圧コントロールが望まれる.減塩,減量,運動などの生活習慣の修正は軽症高血圧だけでなく降圧薬治療を行う場合にも効果を高めるために併行して総合的な指導を行う.利尿薬は低価な第一次薬であるとともに併用薬として有用性が高い.β遮断薬は頻脈や冠動脈狭窄に推奨されるが,代謝系の副作用から利尿薬との併用は好ましくない.Ca拮抗薬の降圧効果は確実かつ用量依存的であり,重篤な副作用はまれである.ACE阻害薬は糖尿病,CKD,心機能障害に積極的な適応となり,ARBはACE阻害薬と同等の臨床効果をもち,副作用は少なく忍容性が高い.降圧薬を併用する場合には,降圧機序とともに副作用の相加,相乗,相殺を考慮する.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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