日本内科学会雑誌
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今月の症例
Listeria monocytogenesによる感染性大動脈瘤の1例
音羽 孝則平野 史生芦原 順也浦 信行
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2011 年 100 巻 4 号 p. 1048-1050

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抄録

症例は糖尿病,アルコール性肝硬変の既往のある72歳男性.4日間の発熱,腰痛を主訴に当院救急外来を受診.入院後血液培養よりListeria monocytogenesが検出された.来院時の造影CTの読影にて脾梗塞と胸腹部大動脈周囲の脂肪織の濃度上昇を指摘し,感染性大動脈瘤を疑った.造影CTの再検では同様の胸腹部大動脈周囲の炎症徴候と大動脈径の拡大を認め,L. monocytogenesによる感染性大動脈瘤と診断した.血液培養陰性化を確認の上,5週間の抗生剤加療を行い第57病日に退院となった.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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