日本内科学会雑誌
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II.治療の進歩
3.肥満外科手術
平下 禎二郎太田 正之北野 正剛
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2011 年 100 巻 4 号 p. 934-938

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抄録

近年の肥満人口の増加に伴い,肥満外科手術が注目され,高度肥満に対する確立した治療法の一つとなっている.現在,世界中で年間34万例,わが国では年間70~80例の肥満外科手術が施行されている.わが国では腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG),腹腔鏡下調節性胃バンディング術(LAGB),腹腔鏡下Roux-en-Y胃バイパス術(LRYGB)などの手術が行われ,良好な成績をあげている.肥満外科手術の適応はBMIが40kg/m2以上であるか,BMIが35kg/m2以上で重症の肥満関連合併疾患を持つ症例とされているが,今後さらに適応を拡大していく傾向にある.現在わが国ではいずれの腹腔鏡下肥満外科手術も保険収載されていないものの,今後ますます増加していくものと予想される.

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© 2011 一般社団法人 日本内科学会
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