2012 年 101 巻 10 号 p. 2952-2954
症例は35歳,女性.インフルエンザワクチン接種10日後に発熱と有痛性頸部リンパ節腫脹にて発症.以前から診断されていた全身性エリテマトーデス(SLE)の増悪が疑われた.徐々に意識障害,失見当識,失禁等の症状が出現,頭部MRI FLAIR像で左右基底核領域に高信号域を認め,髄液検査上蛋白濃度上昇,単核球の出現あり辺縁系脳炎と診断した.メチルプレドニゾロン大量投与と免疫グロブリン大量療法で臨床症状と画像所見の改善に至った.ワクチン接種に関連する免疫応答が辺縁系脳炎発症に寄与した可能性が考えられた.