日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
腸上皮幹細胞による腸管再生と粘膜治癒をめざして
中村 哲也渡辺 守
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2012 年 101 巻 12 号 p. 3533-3539

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抄録

組織幹細胞を用いて傷害組織の再生を図る技術に注目が集まっている.特異的な幹細胞マーカーとしてLgr5分子が同定されたのを契機とし,腸管上皮幹細胞研究が大きく進展した.腸管上皮幹細胞がいかに維持されるか,幹細胞の複製・分化に関わる機構,さらにはこれに関わるニッチの作用に関し,新しい事実が明らかになりつつある.一方で,幹細胞治療に重要な技術,すなわち体外培養技術も急速に進みつつある.これまでその体外培養が極めて困難とされてきた腸管上皮細胞は,いまや幹細胞を体外で増やしうる数少ない組織幹細胞としての認識が広まりつつある.体外で増やした腸管上皮幹細胞を,安全かつ有効に体内に戻し,さまざまな疾患で傷害を受ける腸管上皮組織を再構築する新しい再生治療を視野にいれた最新の研究について概説する.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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