今月の症例
インフルエンザワクチン接種後に増悪した慢性炎症性脱髄性多発神経炎の1例
キーワード:
慢性炎症性脱髄性多発神経炎（CIDP：chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy）,
インフルエンザワクチン,
抗ガングリオシド抗体,
免疫グロブリン大量療法
2013 年 102 巻 4 号 p. 963-965
詳細
2013 年 102 巻 4 号 p. 963-965
症例は71歳，女性．3年前に両下肢遠位のしびれを生じたが軽快した．インフルエンザワクチン接種18日目より両下肢筋力低下，感覚障害が出現し増悪，歩行困難となった．血清抗ガングリオシド抗体陽性，筋電図と腓腹神経生検で慢性の脱髄が示唆された．免疫グロブリン大量療法とステロイドパルス療法が著効した．インフルエンザワクチン接種後に慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症または再発したとする報告は稀であるが，接種には注意を要する．
