日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
全身性強皮症の病態と治療
佐藤 伸一
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2013 年 102 巻 5 号 p. 1226-1232

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抄録
全身性強皮症は,皮膚硬化などの線維化,Raynaud症状や皮膚潰瘍などの血管障害,自己抗体産生などの免疫異常を主徴とする膠原病である.全ゲノム関連解析の結果などから免疫異常が病因の中心をなすことが推定されている.全身性強皮症は不均一性の強い疾患であり,そのため予後予測や治療法決定においては病型分類が重要となる.全身性強皮症では特定の病態と自己抗体が密接に相関するため,自己抗体の種類に基づく病型分類が行われ,各病型における自然経過も明らかになってきた.治療に関しても,皮膚硬化に対するステロイド,肺線維症に対するシクロホスファミド,肺高血圧症や皮膚潰瘍に対するエンドセリン受容体拮抗薬やホスホジエステラーゼ5阻害薬など大きな進歩が見られ,各臓器病変をコントロールすることが可能となりつつある.
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© 2013 一般社団法人 日本内科学会
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