日本内科学会雑誌
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今月の症例
DPP-4阻害薬が原因として疑われた首下がり症候群の1例
赤石 哲也菊池 昭夫長谷川 隆文竪山 真規青木 正志
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2013 年 102 巻 6 号 p. 1464-1466

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抄録

首下がり症候群は,頸部筋群の機能異常から頸が常に垂れ下がった状態を示す病態である.症例は87歳,男性,糖尿病に対してDPP-4阻害薬のvildagliptin導入後1カ月程で歩容の不安定化から杖歩行となり,約半年で頸が常時前屈位となった.血清CK値の軽度上昇に加え,頸部MRIで頸半棘筋および頸板状筋に一致してT2高信号域を認め,薬剤性の筋障害に伴う首下がり症候群を疑った.同薬を中止して3週間程で症状は改善し,杖なしで歩行可能となった.

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© 2013 一般社団法人 日本内科学会
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