日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
COPD治療の最前線
一ノ瀬 正和
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2013 年 102 巻 7 号 p. 1822-1828

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抄録
安定期COPDの管理では,患者の重症度を呼吸機能(一秒量)に,呼吸困難,運動能力,身体活動性,さらには増悪頻度といった患者の特性を加味して評価し治療を加算する.治療は長時間作用性気管支拡張薬を中心とした薬物療法であるが,呼吸リハビリテーションを組み合わせることでその有効性は高まる.COPD患者に対する治療は患者症状やQOLの改善といった現在の状態をよくするのみならず,COPD増悪減少,疾患進行抑制或いは死亡率低下といった患者の将来的なリスクにも良い影響を示す.COPD患者は高齢者で喫煙者であることから,心血管病変,糖尿病,骨粗鬆症といった併存症を持っている場合が多い.併存症の診断・管理も併せて行うことがCOPD治療上重要である.
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© 2013 一般社団法人 日本内科学会
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