2014 年 103 巻 5 号 p. 1180-1182
後天性低Ca尿性高Ca血症(acquired hypocalciuric hypercalcemia:AHH)はCa感知受容体(calcium sensing receptor:CaSR)に対する自己抗体により,CaSRの機能低下が引き起こされる比較的稀な疾患である.症例は尿中Ca排泄低下による高Ca血症を呈していた76歳男性であり,自己抗体が検出されAHHと診断されるに至った.AHHに対する治療法は確立していないが,本例はステロイド治療に良好に反応し血清Caは正常化した.