2015 年 104 巻 11 号 p. 2388-2393
Fitz-Hugh-Curtis症候群(Fitz-Hugh-Curtis syndrome:FHCS)は,骨盤内炎症性疾患の波及により肝周囲炎をきたした病態で,腹腔鏡によるviolin string-like adhesionの確認などにより診断されてきたが,近年,造影CT早期相での肝被膜から被膜下の濃染像がFHCSの診断に有用との報告が散見される.今回,右上腹部痛を主訴に入院し,造影CTなどの画像診断が診断の一助となったFHCSの2例を経験した.