日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
医学と医療の最前線
急性骨髄性白血病の遺伝子異常と予後
清井 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 104 巻 6 号 p. 1180-1188

詳細
抄録

急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の発症・進展には,細胞増殖の促進に関与する遺伝子変異と細胞分化を阻害する遺伝子変異が蓄積することが必要とされてきた.次世代シークエンサーによるゲノム解析技術により,DNAやヒストンのメチル化状態などのエピジェネティック制御に関与する遺伝子,RNAスプライスに関与する遺伝子,娘染色体の安定化に関与するcohesin複合体遺伝子など,新たな機能分子をコードする遺伝子の変異が明らかにされ,より複雑な分子機構がAMLの発症・進展に関与していることが示唆されている.しかし,それら同定された変異遺伝子個々の生物学的意義はほとんど明らかにされていない状況であり,さらなる研究と複数の遺伝子変異の協調的意義に対する解明が待たれている.一方,分子病態に基づく診断基準,予後層別化,標的治療薬をはじめとする個別化治療への実用化も進んでいる.本稿では,AMLにおける遺伝子異常と予後層別化システムへの応用について概説する.

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top