2016 年 105 巻 1 号 p. 99-104
46歳,男性.発熱,咽頭痛,呼吸困難のため救急搬送となった.両側の扁桃周囲膿瘍,右内頸静脈血栓,敗血症性肺塞栓症の画像所見に加えて,右肩および右膝の壊死性筋膜炎を認め,血液,扁桃周囲膿瘍,右肩皮下膿瘍の培養からFusobacterium necrophorumが検出された.Lemierre症候群(Lemierre's syndrome:LS)と診断し,抗菌薬投与,デブリドマン,抗凝固療法を行い,軽快した.LSは致死的な感染症であり,稀ながら壊死性筋膜炎を合併し得ることに留意する必要がある.