2016 年 105 巻 4 号 p. 710-716
45歳,女性.両手指の腫脹を主訴に来院した.夜間早朝に血糖低値を伴い,著明なインスリン抵抗性を呈する糖尿病,抗インスリン受容体抗体強陽性および抗RNP抗体高値を認めたことから,MCTD(mixed connective tissue disease)を合併したB型インスリン受容体異常症と診断した.1日500単位以上のインスリン注射にも血糖降下反応は乏しく,インスリン,各種経口糖尿病薬,IGF-I,GLP-1アナログなどにより糖代謝失調を予防しつつ,DFPP(double filtration plasmapheresis,二重漉過血漿交換),ステロイド治療,シクロスポリン等各種免疫抑制療法にて抗インスリン受容体抗体の陰性化を得,寛解導入に成功した.