日本内科学会雑誌
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今月の症例
手指膿瘍に起因した劇症型溶血性連鎖球菌感染症の1剖検例
松村 うつき石野 秀岳横井 大祐隅田 靖之谷口 琢也真崎 武
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2016 年 105 巻 7 号 p. 1267-1274

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抄録

手指膿瘍に起因し,集学的治療に反応せず急速な転帰をたどった劇症型溶血性連鎖球菌感染症(Streptococcal toxic shock syndrome:STSS)の1剖検例を経験した.STSSは小児,妊婦にも発症し得るが,多くは併存症がなく,免疫不全のない健常者に認められる.集中治療の発達した今日においても死亡率が3割近い重篤な疾患であり,さらに近年急速な増加傾向を示している.発症すれば進行が早く,予後も不良であるために,早期の診断,早期の集学的治療が必要である.

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© 2016 一般社団法人 日本内科学会
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