日本内科学会雑誌
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VIII.内科医が知っておきたい高齢者の整形外科疾患
中村 洋
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2017 年 106 巻 10 号 p. 2161-2169

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抄録

高齢関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の鑑別疾患または併発疾患として,遭遇する機会の多い整形外科的疾患について解説する.変形性関節症(osteoarthritis:OA)は,関節組織の加齢変化を基盤として発症する関節症で,膝関節に好発するほか,手指にもHeberden結節,Bouchard結節,CM(carpometacarpal)関節症がみられる.変形性脊椎症(変形性頸椎症,変形性腰椎症)も加齢と共に出現し,頸・腰部痛と上下肢の神経症状を来たす.関節ならびに関節周囲組織にピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate dihydrate:CPPD)が沈着するCPPD結晶沈着症も高齢者によくみられ,特に頸椎環軸関節に起こるCrowned dens症候群は脳神経疾患との鑑別が重要である.

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