2017 年 106 巻 2 号 p. 238-245
現在,冠動脈イベント二次予防を目的とする抗血小板療法に,心原性脳塞栓発症予防のための抗凝固療法を併用することで出血性リスクが上昇する問題が生じている.そのような中で,現在,DOAC(direct oral anticoagulant)の有効性は,心房細動(atrial fibrillation:AF)のみでなく,虚血性心疾患においても有効性が期待されており,様々な臨床研究が行われている. 本稿では心筋梗塞の二次予防におけるワルファリンとDOAC,AF合併虚血性心疾患における抗血小板療法とワルファリン,DOACについて概説したい.