日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
原発性アルドステロン症の最近の進歩
柴田 洋孝
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2017 年 106 巻 2 号 p. 319-326

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抄録

原発性アルドステロン症(primary aldosteronism:PA)に関する米国内分泌学会による診療ガイドラインが改訂され,日本内分泌学会によりコンセンサスステートメントが発表された.スクリーニング,確定診断,サブタイプ診断の3つのステップで診断を行い,治療を選択する手順の変更はない.スクリーニングの対象が収縮期血圧>150 mmHg,拡張期血圧>100 mmHg,睡眠時無呼吸症候群やPA患者の第一度近親者の高血圧患者まで拡大された.低カリウム血症,低レニン血症,血漿アルドステロン>200 pg/mlを示す明らかなPA症例では確定診断検査を省略可能とされた.また,顕性若年のPAでCTにて片側腫瘍を示す症例では副腎静脈サンプリングの省略が可能とされた.また,PAの精査希望がない症例では,PA未確定でも公衆衛生的な観点からミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の投与が推奨された.

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