日本内科学会雑誌
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今月の症例
好酸球性肺炎の像を呈した肺接合菌症の1例
平野 泰三山田 充啓村上 康司佐藤 慶玉井 ときわ高橋 秀徳岡崎 達馬玉田 勉杉浦 久敏一ノ瀬 正和
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2017 年 106 巻 5 号 p. 1006-1011

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抄録

症例は74歳,男性.腹部大動脈破裂術後より発熱・呼吸苦が出現,院内肺炎を疑い,加療を行ったが改善を認めず,抗菌薬不応の肺炎の精査目的に気管支鏡検査を施行した.肺胞洗浄液中,好酸球の増加と糸状菌を認め,好酸球性肺炎と診断.しかし,さらなる加療に反応せず,第39病日に死亡.病理解剖にて侵襲性肺接合菌症の診断が確定した.稀ではあるが,侵襲性肺真菌症と真菌による肺アレルギー性疾患を同時発症することに留意する必要がある.

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© 2017 一般社団法人 日本内科学会
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