ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)は,4カ月以上の長期母乳哺育することで児に感染する.母子感染を予防するため,妊婦に対するHTLV-1抗体検査が公費で施行されている.母子感染予防のためには,①人工乳哺育をまず推奨し,母乳哺育を望む際は,②90日間までの短期母乳,③凍結解凍母乳の2つの方法を呈示し,それぞれのメリット,デメリットを呈示したうえで,本人に栄養法を選択してもらうことが望ましい.短期母乳,凍結解凍母乳選択例では,乳房管理を含め,出産後のフォローが必要である.