2017 年 106 巻 7 号 p. 1404-1409
HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)は,ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)感染に起因する両下肢痙性対麻痺を主徴とする神経難病であるが,その症状・経過には個人差が大きく,疾患活動性に応じた治療が必要であり,そのバイオマーカーとして髄液中ネオプテリンやCXCL10の測定が重要である.現在,ステロイドやインターフェロン(interferon:IFN)αによる治療が主軸であるが,近年,病因であるHTLV-1感染細胞を標的とした抗体療法の治験が実施されており,新規治療法として注目されている.