2017 年 106 巻 8 号 p. 1640-1645
42歳,女性.18歳で1型糖尿病を発症し,35歳時に血液透析導入,37歳時に膵腎同時移植(simultaneous pancreas kidney transplantation:SPK)が施行された.以後,1年ごとに耐糖能,糖尿病神経障害の評価を行い,経時的変化を検討した.移植後に神経障害の改善を認めた報告があるが,本症例においても神経伝導検査において移植後早期から改善を認めた.移植により血糖が正常化したことにより,早期から神経障害が改善した可能性が示唆された.