2018 年 107 巻 10 号 p. 2139-2146
51歳,男性.43歳時より,腹部膨満,腹痛,嘔気嘔吐等の腸閉塞症状を繰り返し呈していた.自然治癒することもあったが,イレウス管が必要な状態になることも複数回あった.諸検査で器質的疾患は否定され,原因精査のためcine MRIを撮影したところ,左下腹部回腸の蠕動運動不良を認め,慢性偽性腸閉塞症(chronic intestinal pseudo-obstruction:CIPO)と診断した.その後,明らかな原因を特定し得なかったため,慢性特発性偽性腸閉塞症(chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction:CIIP)の最終診断とした.cine MRIで腸管を動的評価することで,本疾患を診断することができた.