日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
A型,E型肝炎の日本における現況と課題
井上 淳正宗 淳
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2020 年 109 巻 7 号 p. 1439-1444

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抄録

A型肝炎ウイルス(hepatitis A virus:HAV),E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus:HEV)は,主に経口感染して急性肝炎を引き起こすウイルスである.日本では,4類感染症に分類されており,診断したら直ちに届け出る必要がある.HAVは汚染された食物や水の摂取で感染することが多く,衛生環境の改善と共に,近年は感染者報告数は減少傾向であったが,2018年は男性間性交渉者の間での大きな流行がみられており,性感染症としての側面もあるため,病歴聴取の際は注意を要する.HEVは人獣共通感染症であり,ブタ等の内臓や肉を加熱不十分な状態で喫食することにより感染することが多いと考えられるが,感染源が不明な症例も多い.E型肝炎患者の報告数は,検査法が2011年に保険適用となって年々増加しているが,未診断・未報告例はさらに多いと考えられ,急性肝炎患者では必ず抗体検査を行う必要がある.また,免疫抑制状態の患者では慢性化する場合があり,注意が必要である.

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