2021 年 110 巻 7 号 p. 1418-1425
末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma:PTCL)は,全非Hodgkinリンパ腫の約7%に過ぎない稀な病型である.さらに,WHO(World Health Organization)分類では,約30種類の疾患単位に細分類されている.ヘテロ且つ稀少な疾患ゆえ,PTCLにおける研究は進みにくく,他の悪性リンパ腫と比較して予後不良であった.しかし,近年の研究技術の進歩や新規薬剤の開発により,ヘテロな集団PTCLに対する個別化医療の可能性について議論が始まり,成績向上のための糸口が見つかりつつある.