2023 年 112 巻 5 号 p. 844-850
65歳,男性.無症候性の原発性マクログロブリン血症(Waldenström’s macroglobulinemia:WM)の経過中に出血症状をきたした.フォン・ヴィレブランド因子抗原量および活性の低下,活性化部分トロンボプラスチン時間延長を認め,WMに伴う後天性フォン・ヴィレブランド症候群(acquired von Willebrand Syndrome:aVWS)と診断した.WMに対して化学療法を行い,出血症状は消失した.WMに出血症状を伴う場合,aVWSも鑑別に挙げて適切な凝固機能検査を行う必要がある.