日本内科学会雑誌
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V. 関連疾患
3. Churg-Strauss症候群
釣木澤 尚実
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2006 年 95 巻 8 号 p. 1493-1500

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抄録

Churg-Strauss症候群 (CSS) は気管支喘息またはアレルギー疾患を背景に出現する, 好酸球増加を伴う原因不明の全身性の壊死性血管炎である. CSSの5年生存率は62~78%と決して良好ではなく, 急性期には血管炎症状は数日単位で急激に悪化することも多く, 治療する時期を逸すると重篤な後遺障害を残すことがあるので早期診断, 早期治療が重要である. 主な治療法はステロイドであり治療抵抗性の場合は免疫抑制薬を併用するが, 末梢神経障害, 心病変は後遺障害を残すことも多い. 新規治療法として開発中であるIVIG (intravenous immunoglobulin) 療法は残存する末梢神経障害, 心病変に対し劇的な効果を示し, 血管炎症状だけでなく長期予後を改善させる可能性があり, 今後の臨床応用が期待される.

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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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