日本内科学会雑誌
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I.高カルシウム血症
5.家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症
駒場 大峰池田 和人深川 雅史
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2007 年 96 巻 4 号 p. 681-687

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抄録

血清カルシウム(Ca)濃度は,副甲状腺や腎尿細管のCa感受性受容体(calcium sensing receptor: CaSR)に感受されることにより,狭い範囲にコントロールされている.家族性低Ca尿性高Ca血症(familial hypocalciuric hypercalcemia: FHH)は,このCaSRの不活性型変異によって惹起される疾患で,軽度の高Ca血症と比較的低Ca尿症を特徴とする.臨床的には,不要な副甲状腺手術を避けるため,原発性副甲状腺機能亢進症との鑑別が重要となる.FHHは基本的には治療の必要のない疾患と考えられているが,最近では新規治療薬calcimimeticsの効果が報告され,注目を集めている.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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