日本内科学会雑誌
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V.慢性腎臓病と各種疾患
2.腎不全
本田 浩一永井 央子秋澤 忠男
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2007 年 96 巻 5 号 p. 894-898

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抄録

わが国の透析患者は年々増加し,現在約26万人(人口500人に一人)の末期腎不全患者が維持透析を受けている.これら患者の背景として,糖尿病性腎症や高齢化を反映した高血圧を原因とする腎硬化症患者の増加があげられる.腎不全の進行は原因疾患に加え,腎疾患発症早期から腎機能障害の進展に影響する因子が複雑に関与する.また,腎機能障害は心血管病変発症・進展の独立した危険因子であり,腎機能低下に伴いその危険率は上昇する.こうした観点から,腎疾患発症早期から腎障害への移行・進展を阻止する重要性が認識され,無症候性腎臓病から末期腎不全に至るまでの一連の病態をひとつの症候として捉えて管理する目的から慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)という概念が提唱された.腎不全はCKDの一病期であると同時にその帰結でもあり,腎不全進行抑制が心血管病変予防の観点からもCKD対策の根幹となる.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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