2007 年 96 巻 5 号 p. 983-985
35歳,初産婦.妊娠経過中に異常を認めず,陣痛発来時,血圧220/119 mmHgより妊娠高血圧症候群の診断のもと,近医にて緊急帝王切開施行.術後一過性の意識消失発作と乏尿を認め当院搬送.溶血・肝機能障害・著明な血小板減少よりHELLP症候群と診断.同時に急性腎不全・DICを合併した状態であり,早期に血漿交換(PE: plasma exchange)を施行し翌日には意識レベルは改善し,その後血小板・溶血所見の改善を認めた.また経過中にRPLS(reversible posterior leukoencephalopathy syndrome)を合併した.