日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
アンジオテンシン受容体阻害薬(ARB)投与後に急性腎不全を呈した馬蹄腎の1症例
草場 健亀尾 恒永田 隆信永野 真喜雄岩橋 正人玉置 清志
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 96 巻 6 号 p. 1195-1198

詳細
抄録

症例は60歳,男性.高血圧を検診で指摘され来院.高血圧170/80mmHgと軽度の大動脈弁閉鎖不全(Ar)を認め,アンジオテンシン受容体阻害薬(ARB,オルメサルタン20mg)投与開始した.投与後16日目で血圧140/64mmHg,採血上は腎機能正常であり定期投与とした.経過良好であったが,87日目に全身倦怠感で来院,急性腎不全を認め緊急入院となった.腎不全は薬剤中止と輸液により速やかに回復した.画像検査にて馬蹄腎が判明した.回復後の腎臓レノシンチはほぼ正常範囲.腎動脈造影では有意な腎動脈狭窄は認めないものの腎動脈本幹径は,正常成人の平均5mmに比し,2mmと細かった.ARB投与で腎不全となった馬蹄腎の報告例はなく注意喚起のため報告をする.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top