日本内科学会雑誌
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IV.病原体別にみた院内感染と対策
2.表皮ブドウ球菌
菊池 賢
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2008 年 97 巻 11 号 p. 2673-2677

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抄録

表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)はヒト皮膚表面,鼻腔などの最も普遍的な常在菌である.黄色ブドウ球菌のような多彩な毒素を持たないが,様々な粘着物質を産生することにより,人体に挿入された人工物に絡んだ感染症をしばしば引き起こす.また,入院患者や病院環境由来の菌株を中心に多剤耐性の比率は黄色ブドウ球菌以上に高い.メチシリン耐性など多くの耐性遺伝子は黄色ブドウ球菌と共有しており,病院感染上,耐性遺伝子リザーバーとしても寄与している.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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