2008 年 97 巻 12 号 p. 2904-2912
健診の中心になるのが臨床検査であり,メタボ健診でも多くの臨床検査が取り入れられている.臨床検査項目は多ければ多いほど診断性能が向上するが,経済的な理由もあって項目が限定されている.しかし,その限られた検査値を深く読むことで多くの情報を得ることが可能である.特定健診を実施することで,潜在性のメタボリックシンドロームや生活習慣病患者が浮き彫りになって,さらに臨床検査の利用が進み,診断性能が向上するとともに臨床検査の振興に寄与するもとと期待される.他方,現状の検査項目では疾患識別感度の面で不満が残るものもあり,診断精度を高める検査法についての検討が今後の課題である.