2008 年 97 巻 12 号 p. 2974-2982
凝固・線溶系血液検査は出血性素因・周術期止血管理とともに,日本人の死因の1/3を占める血栓症の早期発見・治療において重要である,凝固時間の延長が見られる場合には,クロスミキシング試験をおこない,凝固因子欠乏と循環抗凝血素の鑑別を行う.凝固・線溶活性化の最も簡便な指標はFDP,D-ダイマーであり,これらが異常高値を示した場合にはTAT,PICなどの分子マーカーを測定することにより病態解析が可能である.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の診断にはADAMTS-13活性測定が有用である.