日本内科学会雑誌
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I.疫学と病態
3.末梢動脈疾患でのQOL―成果研究から個の診療へ
松本 あき子宮田 哲郎重松 宏
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2008 年 97 巻 2 号 p. 284-292

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抄録

種々のツールで測定される末梢動脈疾患(PAD)患者のQOL(quality of life)が国民基準値よりも低いことは,痛みがあること,歩行機能が障害されること,慢性経過をとること,長期療養が必要なことなどから説明,解釈される.患者立脚型質問票による評価は,「痛み·機能低下·潰瘍」を疾病の本態とするPADにおいては,重症度や効果の指標として意義がある.閉塞性動脈硬化症患者のための自覚的健康状態質問票では,検出される跛行の程度が重症であるほど,ABI,NIRS-RT(近赤外線分光法における回復時間)やSF-8での測定結果が良好でないという基準関連妥当性が示された.QOLや疾患特異的質問票の予後予測因子としての有用性が検討されれば,意思決定資料の一部として活用される可能性があり,成果研究だけでなく,患者の生活記録や日常診療の一部として質問票を活用する利点がある.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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