日本内科学会雑誌
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IV.最近の話題
2.酸塩基平衡の新しいアプローチ
今井 裕一北川 渡
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2008 年 97 巻 5 号 p. 1044-1047

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抄録

酸塩基平衡の基本として教えてきたHederson-Hasselbalchの式は,pH=6.1+log[[HCO3-]/{0.03×PaCO2}]であるが,logの計算は臨床現場では不可能である.一方,Hendersonの式は,
[H]濃度(nmol/l)=24×PaCO2 / HCO3
で求められ,掛け算と割り算で求められる.pH=7.20から7.50までの範囲では,pHの小数点以下の数字と[H+]濃度を足すと80になるという関係がある.すなわち,Hendersonの式で[H+]濃度を計算した値からpHを推定することが可能となる.代償機構が正常に作動しているかを判断するために,代謝性アシドーシス,代謝性アルカローシスでは,実測PCO2=実測HCO3-+15にあてはまった数字であれば,呼吸性代償は正常に行われている.一方,急性呼吸性アシドーシスでは,実測HCO3-=0.1×実測PCO2+21,慢性呼吸性アシドーシスでは,実測HCO3-=0.2×実測PCO2+17,慢性呼吸性アルカローシスでは,実測HCO3-=0.35×実測PCO2+11,慢性呼吸性アルカローシスでは,実測HCO3-=0.5×実測PCO2+5という関係になる.これらに合致していれば,腎臓での代償は正常に行われていることを示している.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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