抄録
30歳,女性.1995年に発作性夜間血色素尿症と診断され,外来で月1回の頻度で赤血球輸血を行っていた.2006年2月頃より輸血の頻度が増加し,10月に溶血発作による重度の貧血で入院となった.低K血症とAG正常な代謝性アシドーシスを認め,尿の不十分な酸性化能とHCO3-負荷試験によるHCO3-排泄率の増加から2型尿細管性アシドーシスと診断した.これに対し重曹4.2g/日の投与を行ったところ,輸血の頻度が減少した.両者は高頻度に合併すると考えられるが,まとまった報告はなく,見逃されている可能性がある.