2009 年 98 巻 8 号 p. 1866-1873
消化器癌の本邦における標準治療は,欧米の標準治療と必ずしも一致していないところがあるものの,近年徐々に国際レベルでの標準化がはかられつつある.切除不能・再発症例での本邦での標準治療は食道癌では5-FU+CDDP,胃癌はS-1+CDDP,大腸癌はFOLFOX+bevacizumab or FOLFIRI+bevacizumabとされている.その他食道癌では5-FU+CDDPの術前化学療法,胃癌では術後化学療法としてS-1,大腸癌の術後では5-FU/LV,UFT/LV,もしくはcapecitabinが標準治療として行われている.最近では分子標的薬が用いられるようになり,cetuximabをはじめ個別化医療への方向性も含めてその効果が期待されている.