日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
心腎連関の基盤病態としての血管内皮機能障害
上田 誠二甲斐田 裕介山岸 昌一奥田 誠也
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キーワード: 心腎連関, 内皮障害, ADMA, CKD
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2010 年 99 巻 10 号 p. 2571-2578

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抄録

慢性腎臓病(CKD)はESRDの予備群である可能性ばかりでなく,たとえ軽度の腎機能低下やアルブミン尿であっても心血管疾患(CVD)発症の強力な危険因子であることが明らかとなり,心腎連関(cardiorenal syndrome:CRS)といった概念が注目されている.血管内皮障害は,CVDの発症・進展に関与するばかりでなくアルブミン尿や腎障害進展の危険因子であること,またCKDの進行に伴い内皮障害の重症度も増すことが知られており,CRS病態で中心的な役割を果たしていると考えられている.CKDでは内因性NO合成酵素(NOS)阻害物質であるasymmetric dimethylarginine(ADMA)が生体内に蓄積し,その上昇が血管内皮機能障害を介して,CVDやCKDの進展に関与することが明らかにされ,CRSを介在する重要な因子として注目されてきている.CKD患者の診療においては,ADMAを測定することにより,将来のCVDやCKD進展のリスクを定量的に評価できる可能性,またADMAを制御することがCRSの新規治療薬になる可能性が期待される.

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© 2010 一般社団法人 日本内科学会
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