日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
B型・C型慢性肝炎治療の最前線
泉 並木
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2010 年 99 巻 12 号 p. 3080-3086

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抄録

B型・C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法に関する最近5年間の進歩は著しい.B型肝炎に関しては耐性変異出現が少ない核酸アナログ治療が普及し,肝硬変や肝癌への移行を阻止できる可能性が高い.核酸アナログの適応患者の選択が重要な課題となっている.現在我が国で使用できる3種類のアナログすべてに耐性が出現した例が散見されるようになり,新たな問題が生じている.C型慢性肝炎では,ゲノタイプ1b型かつ高HCVRNA量の難治症例に対しペグインターフェロン(PEGIFN)注射とリバビリン(RBV)内服併用でウイルス排除が得られる例が半数以上となった.治癒に関与する新たな宿主遺伝子多型(SNP)が発見され今後の臨床的な展開が期待される.現時点で治療効果改善対策が重要であるが,新規抗ウイルス薬との併用が次々に開発され,治癒率改善が期待される.高齢者ほど肝癌発生が多いなど新たなエビデンスが得られている.

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© 2010 一般社団法人 日本内科学会
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