日本内科学会雑誌
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IV.難治性甲状腺疾患
3.粘液水腫性昏睡
小西 美絵乃盛田 幸司田中 祐司
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2010 年 99 巻 4 号 p. 769-775

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抄録

粘液水腫性昏睡は,甲状腺機能低下症が基礎にあり,直接あるいは何らかの誘因で中枢神経系の機能障害をきたす内分泌救急疾患である.稀であるが,1990年以後も死亡率が20~50%と高いと報告されている.粘液水腫顔貌や中枢神経症状に加え,低体温,循環不全,呼吸不全など,障害が多臓器に渡ることが多い.甲状腺ホルモンを直ちに開始する必要があるが,投与ホルモンの種類,経路,量には未だ確立されたものがない.現在,日本甲状腺学会が「粘液水腫性昏睡の診断基準と治療指針」を作成中であり,診断基準第三次案も合わせて報告する.

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© 2010 一般社団法人 日本内科学会
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