日本内科学会雑誌
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末梢動脈内圧波形の分析人の上腕動脈内圧波形からみた末梢血流抵抗の検討
沖野 遙
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1959 年 48 巻 1 号 p. 74-88

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抄録

本論文は, 末梢動脈の内圧波形を忠実に長時間にわたつて記録観察した結果, その動脈系の血流状態は, 從来述べられていた内圧値の変動のみからする分折結果とは, 別の立場から考慮する必要のある点について述べている. すなわち, 内圧波形を詳細に分折すると, 内圧値のみではなく波形の変化の上に末梢動脈系の血管抵抗の変化を知ることができる. そこで内圧波形を血流抵抗の程度によつて5群に大別したが, この5群の波形は一連の関連性を有していて, 人爲的諸手段によつて血流抵抗を変化させた場合に一つの系列にそつて移行変化することを証明した. この系列はある程度まで可逆性であつて, 單に内圧値のみによつて規定されるのではなく, 單位時間内の血流量と, 末梢血管床の彈性に左右されて移行変化する. たゞ, この程度を数量化する点は刻々の血流量や末梢血管容積等の測定上, 現在, 手技上困難であるため, 本論文はこの一段階として記述した. なお, 現在, 新しい電磁流量計をもちいてこの点の定量分折を行いつつあることを付記する.

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