48 巻 (1959-1960) 2 号 p. 243-255
目的: 腎炎の発生病理及び治療. 特徴: 現在腎炎の発生病理については抗原抗体反応によるアレルギー性変化と考えられている. 今迄提示された実験的腎炎には馬杉腎炎, 溶連菌の反復注射による腎炎, α-グロブリン注射による腎炎等があるが, 現在最も合理的に考えられている馬杉腎炎でさえ, 溶連菌と如何なる関係にあるか理解するに苦しむ. 著者は血中催腎炎物質 (青色グロブリン物質) にて腎炎を発症せしめ得, この物質は溶連菌と関連づけて合理的に説明し得ること, 等腎炎の発生病理と合理的に理解し得る実験である.
結果: 青色グロブリン物質 (血中催腎炎物質) を家兎の腎動脈に注入すると, 臨床的にも腎炎の所見が得られ, 組織学的にびまん性糸球体腎炎の像が得られた. この青色物質はビタミンC処置により催腎炎性を失い, またCortisone, ACTHの投与は青色物質による腎炎の発症を抑制せしめ得た.