日本内科学会雑誌
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放射性沃度標識Rose Bengalによる新胆嚢機能検査法及びその臨床的応用について
高沢 五郎
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1961 年 49 巻 12 号 p. 1537-1547

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抄録

放射怪Rose Bengalを用いて,肝臓及び胆嚢の檢査法について研究を行ない,新胆嚢機能檢査法を考案して,臨床的に應用を試みた. 131I Rose Bengal 8μcを靜注し,シンチレーション計数管を用いて,肝臓部及び胆嚢部で体外計測を行ない,肝攝取排泄曲線及び胆嚢胆汁流出曲線を求める.その曲線を肝初期上昇値,肝攝取率,肝排泄率,胆嚢流入率,胆汁流出開始時間,15分, 30分, 60分流出率及び胆嚢値半減時間等の各要素に分析する.臨床410例に試みた結果では,肝疾患では肝における攝取及び排泄が障害されるため,胆嚢への流入が減少するが流出は比較的良好である.胆石症及び胆嚢炎では肝の攝取排泄は良好であつても,胆嚢の流入及び流出が障害されている.胆嚢病症では胆嚢への流入は良好であるが,流出開始時間が延長したり,或は流出が遅延したり逆に急速に行なわれる例宅ある.肝機能,胆嚢機能及び肝外胆道流通状態を,一貫して知ることが出来るのが本法の利点である.

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