日本内科学会雑誌
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白血病並びに再生不良性貧血症例における骨髓移植の経験
三好 和夫白神 〓吉松 正明湯浅 利尚柏木 忠池田 洋一勝野 芳人宮岡 輝夫大野 文俊
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1960 年 49 巻 6 号 p. 676-687

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抄録

白血病,再生不良性貧血などの治療目的と,骨髓移植の機轉解明のため行なつてきた骨髓移植の経驗を述べた.まずgpcマウスにX線700r全身照射後,同系骨髓1000万以上注入し,死亡率減少,白血球,網赤血球の早期囘復,即ち移植の効果を確かめた.白血病3,再生不良性貧血3,腎性貧血1の7症例にABO式同型の同種骨髓を靜脈内注入し,特別の副作用を認めなかつたが,積極的な治療効果も確認していない.前処置としては白血病で60Co照射は, 6MP,再生不良性貧血で摘脾,また各症例ともプレドニソロンを使用した。白血病の1例では,上記前処置の結果,白血病細胞の高度減少,骨髓の低形成化を来たし,死後剖檢でも各臓器に白血病細胞の浸潤を殆ど認めなかつた.胸骨骨髓の一部に限局性の細胞増殖を認めたが,注入骨髓に由来するものか否か不明であつた.また肺に注入骨髓に起因すると思われる塞栓を認めた.前処置として摘脾を行なつた再生不良性貧血の1例は重篤であるにも拘らず現在なお生存観察中である.

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