日本内科学会雑誌
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尿崩症における二,三利尿剤の効果について
山田 実戸沢 正小笠原 正昭今 明敏
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1962 年 50 巻 10 号 p. 1133-1137

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抄録

16才の女子,高校生.多飲,多尿を主訴とし1日尿量8200~10200cc,比重1.002.飲水4200~5700cc.濃縮試験1.010. PSP35%(15分), Ccr 73.8cc/min, CNa 0.73cc/min, CK 9.32cc/min, ACTH-testでは17-KSは11.9, 26.7, 17.0mg/d1でACTHに充分反応す. 17-KS分画では第IV, V分画の低下がみられ,性腺機能の低下が疑われた. Cater and Robbin's test は陰性でピトレッシンに良く反応した.われわれはbutazolidin, vasopressin, chlorothiazidleを使用し, 1日尿量3000cc台に減少したが,使用後1週間で無効となり,尿中電解質排泄量は, vasopressin使用時尿量は減少するにもかゝわらず, controlと同様であり, chlorothiazide使用時には尿量は減少したが,尿電解質排泄量は増加した. aldosterone antagonist (SC 920-aldactone) 400mg, 6日間使用したが尿量には変化なく,Na/Kの多少の増加が認められた.

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