1961 年 50 巻 5 号 p. 397-405
心不全,肝硬変,ネフローゼ患者等の尿中に多量のaldosterone排泄が認められ, Connはこれらの浮腫疾患群にsecondary aldosteronismなるclinical entityを与え,その浮腫発生ならびに増惡に対しaldosteroneの役割を重視した.私どもはこれら疾患の尿中のaldosteroneをbioassay, chemoassayの両面より測定し,これと電解質代謝との関係につき詳細に検討した結果,これら患者における体内aldosterone活性増大は単にaldosterone分泌増加といつた素朴な考え方のみでは理解しえず,肝におけるaldosterone非活性化障害やsodium excreting steroidsの分泌低下等の諸因子の重要性を認めた.また本症に対しglucocorticoid投与による利尿機序についても,この方面より検討した.