日本内科学会雑誌
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肺結核患者の副腎皮質機能と化学療法に対する反応性
平岡 恒郎
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1961 年 50 巻 6 号 p. 445-452

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抄録
著者は,尿中17-KS, 17-OHCS定量及びThorn's testによつて,入院肺結核患者の副腎皮質機能を検した結果.健康者に比して低下し,しかも重症者程著明であるとの諸家の見解にほゞ一致した成績を得た.すなわち,学研分類F型及び喀痰中結核菌陽性例では,機能低下が認められた.又化学療法に対する反応性と副腎皮質機能の関係を比較検討したところ,副腎皮質機能が正常又は治療初期に正常化を来たす症例,化学療法により症状軽快がみられた.しかも当初尿中17-KSおよび17-OHCSが比較的低値を示す例に, X線像の改善が多い傾向が認められた. Steroid hormone投与により,強い副腎皮質機能の低下を認めた例においては,しからざる場合に比して,症状の回復が遅れる傾向を認めた.
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